農業を市場から取りもどす

農業を市場から取りもどす

農地・農産品・種苗・貨幣

  • 著者:林公則
  • 定価:3,520 円
  • ISBN:978-4-8188-2645-8
  • 判型:四六判
  • 頁:208頁
  • 刊行:2024年01月
  • ジャンル:産業経済

内容紹介

有機農産品を食べるには、高いお金を払うしかないのか。社会への貢献度が高いほどままならない「みんなのための農業」を地域で実現していくために。ヨーロッパを中心に先進的な取り組みを紹介。

目次

プロローグ  フライカウフ(自由を買う)という発想
 ――みんなのためになる農業へのてがかり

第一章 貨幣のフライカウフ――キームガウアー

 一 フライカウフの根底に流れる貨幣観
 二 老化する貨幣
 三 地域通貨を利用してのフライカウフ
 四 キームガウアーの目的と仕組み
 五 消費者、寄付先団体、店舗にとっての意義
 六 地域通貨をデザインすること

第二章 農地のフライカウフ――ビオ農地協同組合

 一 GLSグループに影響を与えた農地に関する2つの原理
 二 農地の移譲先としての公益事業体
 三 農業ファンド
 四 ビオ農地ファンドとビオ農地協同組合
 五 GLSグループにとっての公益農業
 六 公益を志向する農業事業体の広がり

第三章 農産品のフライカウフ――連帯農業

 一 CSAの一つとしての連帯農業
 二 連帯農業の成立とコンセプト
 三 連帯農業の実践
 四 連帯農業の事例
 五 ドイツにおける連帯農業の特徴

第四章 種苗のフライカウフ――種苗基金

 一 日本でも関心が高まる種苗問題
 二 育種をめぐる動向――種苗の囲い込みと商品化
 三 クルトゥールザート
 四 オープンソースシーズライセンス
 五 種苗基金
 六 SOS
 七 公共財・文化財としての種苗

エピローグ みんなのためになる農業におけるフライカウフの意義

補論 金融経済と小規模有機農業――スローマネー

 一 スローマネーとは
 二 金融経済の問題点
 三 近代農業の問題点
 四 従来までの金融との違い
 五 スローマネーと育成資本家
 六 実践の形
 七 新たな経済学の必要性

あとがき