農業を市場から取りもどす
農地・農産品・種苗・貨幣
内容紹介
有機農産品を食べるには、高いお金を払うしかないのか。社会への貢献度が高いほどままならない「みんなのための農業」を地域で実現していくために。ヨーロッパを中心に先進的な取り組みを紹介。
目次
プロローグ フライカウフ(自由を買う)という発想
――みんなのためになる農業へのてがかり
第一章 貨幣のフライカウフ――キームガウアー
一 フライカウフの根底に流れる貨幣観
二 老化する貨幣
三 地域通貨を利用してのフライカウフ
四 キームガウアーの目的と仕組み
五 消費者、寄付先団体、店舗にとっての意義
六 地域通貨をデザインすること
第二章 農地のフライカウフ――ビオ農地協同組合
一 GLSグループに影響を与えた農地に関する2つの原理
二 農地の移譲先としての公益事業体
三 農業ファンド
四 ビオ農地ファンドとビオ農地協同組合
五 GLSグループにとっての公益農業
六 公益を志向する農業事業体の広がり
第三章 農産品のフライカウフ――連帯農業
一 CSAの一つとしての連帯農業
二 連帯農業の成立とコンセプト
三 連帯農業の実践
四 連帯農業の事例
五 ドイツにおける連帯農業の特徴
第四章 種苗のフライカウフ――種苗基金
一 日本でも関心が高まる種苗問題
二 育種をめぐる動向――種苗の囲い込みと商品化
三 クルトゥールザート
四 オープンソースシーズライセンス
五 種苗基金
六 SOS
七 公共財・文化財としての種苗
エピローグ みんなのためになる農業におけるフライカウフの意義
補論 金融経済と小規模有機農業――スローマネー
一 スローマネーとは
二 金融経済の問題点
三 近代農業の問題点
四 従来までの金融との違い
五 スローマネーと育成資本家
六 実践の形
七 新たな経済学の必要性
あとがき