
近代日本の国民統合とジェンダー
内容紹介
「国民」としての一体化と選別の国民国家プロセスの中で、人びとはいかに規範・イデオロギーの生成に関わり、対処したか。ジェンダーの視点から日本近代史を再考する。
目次
序章 「国民」とジェンダーを対象化すること
一 本書の視角と方法
二 本書の射程――世紀転換期から戦間期史の再考
三 本書の構成
Ⅰ 国民国家の確立とジェンダー
第1章 「帝国」日本の女性像
はじめに
一 日露戦争と良妻賢母主義
二 「帝国」経営と女性活動奨励論
三 第一次世界大戦と女性像
おわりに
第2章 性差の科学と良妻賢母主義
はじめに
一 性差に関する科学的言説の登場
二 女子教育と性差の科学
三 「新しい女」論争と生物学
四 性差の科学と「新しい女」
五 優生学の時代と「女子の使命」
おわりに
第3章 「青年」の主体的構築
はじめに
一 「新日本之青年」から「田舎青年」へ
二 日露戦後経営下の「青年」とマスキュリニティ
三 地域における「青年」の主体的構築
おわりに
Ⅱ 国民国家の再編とジェンダー
第4章 国民統合と家族イデオロギー
はじめに
一 内務官僚・田子一民
二 「自治民」育成
三 「第二維新」論
四 ナショナリティとしての家族
五 「生活」共同体としての「家庭」
六 「無形の法人」としての「家」
おわりに
第5章 「女工」観とその再編
はじめに
一 「社会問題」と「女工」
二 「職工問題」と「女工」
三 「女工」観の再編
おわりに
第6章 労働政策とジェンダー
はじめに
一 国際労働規約
二 工場法改正と女子労働者
三 「男女同一価値労働同一賃金」をめぐる議論
四 「生活標準」と「家族賃金」観念
おわりに
終章 国民統合の諸段階とジェンダー