
戦後『中央公論』と「風流夢譚」事件
「論壇」・編集者の思想史
内容紹介
天皇制批判のタブー化に強い影響を及ぼした言論テロ事件、『中央公論』誌面と編集者群像を通して、戦後ジャーナリズム史上の「論壇」と総合雑誌の位置づけを明らかにする。
目次
序 章 「論壇」研究の問題設定と意義
第一章 戦後ジャーナリズムにおける「論壇」史
総合雑誌と「論壇」の磁場
戦後総合雑誌の出発
新しい執筆者の登場
『中央公論』の変容
大学紛争と「論壇」の凋落
第二章 『中央公論』の天皇制論から「現実主義」論調まで
天皇制批判の拮抗
ルポルタージュとジャーナリストの系譜
「現実主義」論調の展開
第三章 中央公論社と「風流夢譚」事件
「風流夢譚」掲載前後
嶋中事件
嶋中事件への知識人の反応
『思想の科学』事件と書評紙の反応
社業隆盛から執筆拒否解除まで
第四章 『中央公論』の編集者群像
戦後再発足
二人の「戦中派」編集長
「週刊誌世代」編集者と営業部の拡充
粕谷一希の思想形成と編集企画
終 章 総合雑誌・編集者が残した遺産