戦前期日本の地方企業

戦前期日本の地方企業

内容紹介

両毛鉄道、利根発電、群馬電力について、企業の起業・経営・資金調達・企業統治といった諸側面を検討し、地域社会の産業化に関連づけながら論じる。

目次

序章 課題と方法 1
1.本書の課題
2.研究史の検討
(1) 地域の産業化
(2) 企業家間のネットワーク
(3) 企業統治
(4) 資本市場
3.研究対象の限定と分析視角
4.本書の構成
第1章 企業勃興期における地方企業の設立と人的ネットワーク
──両毛鉄道の設立と地方・中央──
1.はじめに
2.両毛地方における鉄道誘致運動と両毛鉄道の設立
(1) 日本鉄道の開業と両毛地方における鉄道誘致運動の高まり
(2) 鉄道敷設運動の再燃と私設鉄道会社設立計画
(3) 両毛鉄道の成立と全線開通
3.両毛鉄道の設立過程と人的ネットワーク
(1) 創立メンバーにみる人的ネットワーク
①在京の発起人とその周辺
②地元発起人
(2) 発起時の株主にみる人的ネットワーク
1東京・神奈川の株主
②地方株主
4.人的ネットワークと企業家間の多面的な協力
5.おわりに
第2章 産業革命期の地方における企業経営と株主
──両毛鉄道を事例として──
1.はじめに
2.全線開通後の両毛鉄道
(1) 臨時株主総会開催要求運動と社長・田口卯吉の辞任
(2) 1890年における株主構成
3.展開期の両毛鉄道
(1) 日本鉄道からの独立自営問題──「売却派」と「非売却派」の動き──
(2) 独立自営後の両毛鉄道の経営状況
(3) 株主分析
4.日本鉄道への合併
(1) 路線延長の計画と増資計画
(2) 延長計画,競合会社との合併計画の失敗と日本鉄道への合併
(3) 日本鉄道への合併の要因
5.おわりに
第3章 日露戦後における地方企業の設立
──利根発電の設立過程と地域・企業家──
1.はじめに
2.利根発電の設立過程
(1) 利根発電成立以前における群馬県下の電気事業展開
(2) 利根川水系における電力会社設立計画と利根発電の開業
(3) 高崎水力電気との需用家獲得競争と前橋市への本社移転
3.利根発電会社成立期における資金調達
(1) 開業に向けての資金調達
(2) 成立期における株主の分析
4.おわりに
第4章 第一次世界大戦期における地方企業の経営と企業統治
──利根発電を事例として──
1.はじめに
2.利根発電の成長と終焉
(1) 「利根式経営法」と会社の拡張
①「利根式経営法」
②専門経営者・大澤惣蔵について
③会社の拡張
(2) 利根川水系水利権の掌握と東京電灯への合併
(3) 小括
3.利根発電の役員と主要株主
(1) 役員の推移
(2) 主要株主
4.利根発電における企業統治
(1) 1913年役員総辞職問題
(2) 戸倉山林買収問題
(3) 東京電灯への合併と根津嘉一郎
(4) 小括
5.おわりに8
第5章 第一次世界大戦ブーム期における資産家の投資行動
──『全国株主要覧』を手がかりとして──
1.はじめに
2.利根発電における資本金・主要株主・株主の地域分布の動向
(1) 資本規模の推移および主要株主の推移
(2) 地域分布の推移
3.地方株保有株主の投資行動──利根発電・八十一銀行を中心に──
(1) 利根発電株主の地域分布と地域別特徴
(2) 八十一銀行株主の地域分布と地域的特徴
(3) 地方企業株保有株主の投資行動──利根発電・八十一銀行株主の動向──
4.おわりに
第6章 第一次世界大戦後における地方企業の設立と企業家
──群馬電力の設立過程をめぐって──
1.はじめに
2.群馬電力の設立過程
(1) 水力発電事業と企業家──田島達策と群馬電力──
(2) 群馬電力の設立と地方企業家──高津仲次郎と群馬電力──
3.設立初期の群馬電力の経営
(1) 経営動向と企業家の役割
(2) 主要株主・役員
(3) 大株主の経営への関わり──安田財閥と群馬電力──
4.おわりに
第7章 戦間期における地方企業の展開
──群馬電力から東京電力へ──
1.はじめに
2.群馬電力から東京電力へ──早川電力との合同──
(1) 京浜地方への進出と東邦電力の参入
(2) 早川電力との合同と東京電力の成立
3.東京電力の設立──東邦電力の傘下へ──
(1) 東京電力の設立
(2) 主要株主・役員
(3) 東京電力の経営と企業統治
(4) 東京電灯との間の「電力戦」から合併へ
4.おわりに
終章 結  論