
ワルラス 社会経済学研究
内容紹介
レオン・ワルラス未完の大作。待望の日本語訳。一般均衡理論の創設者が目指した社会理想とは? 効率と公正の両立へのゆるぎない信念。社会正義実現への情熱がほとばしる。
目次
訳者解説
レオン・ワルラスによる序文
第2版へのはしがき
第I部 社会理想の探求
社会主義と自由主義:エド・シェレ氏への書簡
社会の一般理論:パリにおける公開講義(1867-68)
経済学と社会科学の現状
第1講義 経済社会問題における利益の原理と正義の原理の競合
第2講義 哲学的学説の調停。 経済学と社会科学における唯物論と唯心論の現在の対立
第3講義 唯物論批判。唯心論批判。社会道徳についての観点
人間と社会について
第4講義 2つの観点、すなわち生理的-経済的観点と心理的-道徳的観点からみた人間と人間の運命について
第5講義 利益と正義の一致について
第6講義 個人と国家。社会科学の構成に関する一般的な定理
調整あるいは総合の方法
I. 総合の方法の原理
II. 社会主義と自由主義の総合
III. 功利主義と道徳主義の総合
IV. 共産主義と個人主義の総合
第II部 所有
所有の理論
社会問題
知的所有権について
第III部 社会理想の実現
土地の価格および国家によるその買上げの数学理論
I. J.ミルとH.-H.ゴッセンの学説
II. 土地の価格について。地代の一時的もしくは永続的変動の場合の正常価格成立の公式
III. 土地の価格について。地代の変動期間のあいだの正常価格の変動の公式
IV. 国家による土地の買上げについて。地代による購入価額償還の公式
V. 国家による土地の買上げ。償還期間中の負債額の変動
VI. 正常価格の支払いの場合の償還の不可能性
VII. ゴッセンの理論の批判。地代の増加率上昇による償還の可能性
知られざる経済学者:ヘルマン・ハインリッヒ・ゴッセン
第IV部 税
序
ローザンヌ会議の回想
所得税と資本税について
土地台帳と地租
I. 現在の土地台帳の構成
II. 地所にかかわる土地台帳と税務的な土地台帳
III. フランス、ベルギー、ドイツにおける土地台帳
IV. 地租の性質
V. 地租の基礎について。国家による土地の共有
VI. 地租の基礎。土地と資本の区別
税問題
I. 様々な税。単一税、比例税、累進税
II. 正常で決定的な事実としての税の批判
III. 例外的で過渡的な事実としての税について。土地の国有化について
IV. フランスと社会問題
人物一覧
訳者あとがき