神保町の交差点

●4月を迎え、4名の社員が第二の人生を歩み始めます。経理を担当してくれた片倉、新しい著者と結びつけてくれた編集の鴇田、「窓」でも時々、炭鉱の娘、社員T子と呼ばれ、社のIT関係を一手に引き受けてくれた営業の木野村、そして日本経済評論社の看板だった谷口も定年となりました。以下、谷口京延のご挨拶文を掲載させていただきます。
   惜別のご挨拶
 わたしはこの4月6日をもちまして定年退職することとなりました。五体の具合が芳しくなく、後期人生の総括を思い立った次第です。引き継ぎや身の回りの整理など残された課題がありますので4月いっぱいは在籍しますが、継続の仕事につきましては社長、社員に伝えてありますのでご安心ください。今後は出版の仕事からいっさい離れ、ひとり自分をみつめてまいります。皆さまにはひとかたならぬお世話を頂きましたことを深く御礼申し上げます。振り返れば日本経済評論社ひと筋に40年。雨の日もあり、雪の日もあり、地震にも遭遇いたしました。苦しいとき、かなしいとき、くじけそうになったとき、皆さまの叱咤激励がどれほど支えになったかは筆舌には尽くせないものがあります。おひとりお一人の顔を思いうかべこれからは悠々とは参りませんが、自適の中に過ごします。またこの社と越えがたき時代を継承する社員の方々の幸多かれと念じております。故郷となってしまった日本経済評論社をいつまでもご支援いただければこれに勝るよろこびはありません。ほんとうに長いあいだありがとうございました。皆さまのご活躍を祈って惜別の便りといたします。 谷口京延 
 同志谷口京延(タニ)が定年となりました。1977年入社以来、好んだのでもなく選んだのでもない貧しき出版社に職を得て、正味40年、人生の過半を注ぎ込んでくれました。私もこの期に及んでタニと歩んだ日々を思い返し感慨に堪えぬものがございます。仕事もした、酒も呑んだ、いさかいもあった。それらのすべてが私の力となって今日があります。私にとってタニは自他ともに許した義兄弟でありました。後をふりむけば心細いことばかりですが、キリもなくあてにすることはできません。私とて多難な末路でございますが、谷口の妖しき前途を懸念しつつ、自らをも叱咤して参りたいと思います。 (吟)
2016年度の新刊をご案内します。

新版 入門 日本金融史 落合功著
色川大吉対談集 あの人ともういちど 色川大吉編著
日本帝国崩壊期「引揚げ」の比較研究
今泉裕美子・柳沢遊・木村健二編著
家族酪農経営と飼料作外部化 岡田直樹著
現代資本主義の経済理論 飯田和人・高橋聡・高橋輝好著
IMFと新国際金融体制 大田英明著
現代日本経済史年表 1986~2015年 代表編者 矢部洋三
日本銀行の敗北 相沢幸悦著
経済後進性の史的展望 ガーシェンクロン著、池田美智子訳
歴史家 服部之總 松尾章一編著
家と共同性 比較家族史学会監修 加藤彰彦・戸石七生・林研三編著
それからの琉球王国(上)(下) 来間泰男著
農業構造の現状と展望 後藤光蔵著
松井秀喜 篠崎尚夫著
再開発は誰のためか 岩見良太郎著
カンティヨン経済理論研究 中川辰洋著
中小企業金融としてのABL 相馬一天著
華北交通の日中戦争史 林采成著
日本近代蚕糸業の展開 上山和雄著
巨大企業と地域社会 筒井正夫著
航空機産業と航空戦力の世界的転回 横井勝彦編著
旅文化と物流 中西聡著
太平洋戦争期の物資動員計画 山崎志郎著
我が国の経済外交2017 外務省経済局編
アメリカに振り回される日本の貿易政策 山田正次著
グローバル資金管理と直接投資 小西宏美著
ナチス・ドイツと中間層 柳澤治著
欧州統合と社会経済イノベーション
八木紀一郎・清水耕一・徳丸宜穂編著
グローカル時代の地域研究 伊東維年編著
東北の近代と自由民権 友田昌宏編著
信用機構の政治経済学 田中英明著
地方分権と政策評価 西垣泰幸編著
経済制裁と戦争決断 佐藤元英著
満洲における政府系企業集団 柴田善雅著
イギリスの都市再生とサイエンスパーク 鈴木茂著
時代を超えた経営者たち 井奥成彦編著
反トラスト法と協同組合 高瀬雅男著
「満洲国」における抵抗と弾圧
荻野富士夫・兒嶋俊郎・江田憲治・松村高夫著
国際政治史における軍縮と軍備管理 榎本珠良編著
母子世帯の居住貧困 葛西リサ著
非日常の観光社会学 小川功著
地方製造業の展開 高崎経済大学地域科学研究所編
中江兆民と財政民主主義 渡瀬義男著
「アベノミクス」の正体 相沢幸悦著

これからも本を作り続けます。ご支援宜しくお願い致します
(僅)