
減災・復興政策と社会的不平等
居住地選択機会の保障に向けて
内容紹介
減災・復興政策で、追い出され、置き去りにされる人びと。近年頻発する災害を事例に、社会的不平等が拡大する過程を検証し、居住地選択の自由と地域再生の両立する道を導き出す。
目次
序 章 災害リスクと社会的不平等
第⼀部 減災・復興政策における不平等の構造
第1章 減災・復興政策の特質と災害法制の推移
──ハザードを避け、空間を作り変える
第2章 居住の安定/不安定を分かつ構造
──減災・復興政策はどのように作動するか?
第二部 「住宅困窮者を救済する」政策と不平等
第3章 発災から数ヶ月後の避難生活過程で何が起きたか?
──発災時の犠牲と防ぎえた災害死
第4章 数ヶ月後から数年後の生活再建過程で何が起きたか?
──孤独死という災害関連死
第三部 「空間を作り変える」政策と不平等
第5章 強靭化した居住地に誰が住むのか?
──ある復興土地区画整理の事例から
第6章 元の居住地から何が消えたのか?
──二つの地盤災害の事例から
第7章 耐震化・不燃化がもたらす居住のゆらぎ
──密集市街地改善の系譜と展開
第四部 「ハザードを避ける」政策と不平等
第8章 誰が移転し、誰が原住地に残されたのか?
──新潟県中越地震、集団移転の事例から
第9章 原住地からの「追い出し」を拒む人びとの行方
──東日本大震災、災害危険区域指定の事例から
第10章 「事前復興」は誰を救い、誰を取り残しているか?
──南海トラフ地震、太平洋沿岸地域の動向
終 章 減災・復興政策の転換──「Build Back Better主義」を超えて
参考文献
● 「減災・復興政策による社会的不平等の拡大抑止に向けた一連の研究」で、復興デザイン会議(東京大学)、第4回復興研究論文賞「最優秀論文賞」 受賞 (その一連の論文が収録されています)。