減災・復興政策と社会的不平等

減災・復興政策と社会的不平等

居住地選択機会の保障に向けて

  • 著者:田中正人
  • 定価:5,940 円
  • ISBN:978-4-8188-2604-5
  • 判型:A5判
  • 頁:384頁
  • 刊行:2022年02月
  • ジャンル:社会・政治人文・社会

内容紹介

減災・復興政策で、追い出され、置き去りにされる人びと。近年頻発する災害を事例に、社会的不平等が拡大する過程を検証し、居住地選択の自由と地域再生の両立する道を導き出す。

目次

 序 章 災害リスクと社会的不平等

第⼀部 減災・復興政策における不平等の構造
 第1章 減災・復興政策の特質と災害法制の推移
        ──ハザードを避け、空間を作り変える
 第2章 居住の安定/不安定を分かつ構造
        ──減災・復興政策はどのように作動するか?

第二部 「住宅困窮者を救済する」政策と不平等
 第3章 発災から数ヶ月後の避難生活過程で何が起きたか?
        ──発災時の犠牲と防ぎえた災害死
 第4章 数ヶ月後から数年後の生活再建過程で何が起きたか?
        ──孤独死という災害関連死

第三部 「空間を作り変える」政策と不平等
 第5章 強靭化した居住地に誰が住むのか?
       ──ある復興土地区画整理の事例から
 第6章 元の居住地から何が消えたのか?
       ──二つの地盤災害の事例から
 第7章 耐震化・不燃化がもたらす居住のゆらぎ
       ──密集市街地改善の系譜と展開

第四部 「ハザードを避ける」政策と不平等
 第8章 誰が移転し、誰が原住地に残されたのか?
       ──新潟県中越地震、集団移転の事例から
 第9章 原住地からの「追い出し」を拒む人びとの行方
       ──東日本大震災、災害危険区域指定の事例から
 第10章 「事前復興」は誰を救い、誰を取り残しているか?
       ──南海トラフ地震、太平洋沿岸地域の動向
 
 終 章 減災・復興政策の転換──「Build Back Better主義」を超えて

参考文献 


● 「減災・復興政策による社会的不平等の拡大抑止に向けた一連の研究」で、復興デザイン会議(東京大学)、第4回復興研究論文賞「最優秀論文賞」 受賞 (その一連の論文が収録されています)。