小樽商科大学叢書 6
民事詐欺の違法性と責任
内容紹介
なぜ詐欺は違法なのか。全体主義的な違法論が詐欺と交わるとき、自由意思は法益性を失い、詐欺を働く欺罔(ぎもう)者は責任を免れる。民法の目的は何か。民事詐欺の歴史と理論を検証する。
目次
序論
第1節 本書の課題
第2節 本書の構成
第1部 ドイツ法
第1章 詐欺の前史
第1節 ローマ法と自然法
第2節 19世紀の詐欺論
第2章 詐欺の違法性と責任
第1節 転回する自由意思の要保護性
第2節 保護の範囲と限界
第2部 日本法
第1章 民事詐欺論の展開
第1節 日本民法と自然法
第2節 意思決定自由の要保護性
第2章 民事詐欺の違法性と責任
第1節 比較法の帰結の考察:裁判例を素材として
第2節 民事詐欺の違法性と責任
結論
第1節 「本書の課題」の確認
第2節 本書の小括
第3節 結論