戦後国際金融の歴史的諸相

戦後国際金融の歴史的諸相

帰結としての世界金融危機

  • 著者:入江恭平
  • 定価:4,400 円
  • ISBN:978-4-8188-2520-8
  • 判型:A5判
  • 頁:234頁
  • 刊行:2019年03月
  • ジャンル:金融経済

内容紹介

グローバルな金融危機(アジア危機、世界金融危機、ユーロ危機)の連鎖を、戦後金融システム=ニューディール期金融規制体系の解体、規制緩和、新自由主義の帰結として把握する。

目次

はじめに
第1章 ブレトンウッズ体制とユーロカレンシー市場
     ブレトンウッズ体制/ユーロカレンシー市場の出現と国際銀行業/戦後のニューヨーク外債市場とユーロ債市場の誕生/ドル危機からブレトンウッズ体制の崩壊/変動相場制下のユーロダラー市場
第2章 ユーロ・セキュリタイゼーションと国際銀行業
     ローン・パーティシペーションの国際的展開と限界/NTF・RUFのハイブリッド性と過渡期性/ユーロCP市場の成長/変動利付債(FRN)市場の隆盛と破綻/スワップの機能と市場の現状
第3章 日本のベンチャーキャピタルと対アジア投資
     日本のベンチャーキャピタルの特質/日本のベンチャーキャピタルの対アジア投資/ベンチャー・キャピタルと現地株式市場:タイのケース
第4章 アジア通貨・金融危機 ~金融グローバル化の代償~
     双子の危機=通貨危機と銀行危機/国際銀行による金融危機諸国への信用供与/国際信用と国内信用の連動性/通貨危機の前兆と勃発/通貨危機・銀行危機・資産デフレ下でのクレジット・クランチ、内需の激減/縮小均衡的・暴力的経常収支の黒字化/アジア金融危機とIMF
第5章 世界金融危機 ~シャドーバンキング・証券化・ドル不足~
     規制緩和・シャドーバンキング・金融コングロマリット/証券化とSPL(サブプライム・ローン)問題/証券化過程と金融期間/世界金融危機の発現・展開
第6章 複合危機としてのユーロ危機
     ユーロ周辺国の高成長と信用の拡張/世界金融危機の影響と共振:流動性危機から銀行危機へ/ソブリン債務危機の勃発と銀行危機との相互作用:ギリシャ危機を中心に/TARGETバランスの形成とユーロシステム/TARGETバランスの不均衡と国際収支≒金融収支危機の回避