
ヨーロッパ農村景観論
内容紹介
日本人の代表的なヨーロッパ農村景観論を手がかりに、歴史的に形成されてきたヨーロッパ農村景観の多様性に迫る。
目次
序 論 日本人のヨーロッパ農村景観論
1 和辻哲郎『風土』
2 大塚久雄『共同体の基礎理論』
3 飯沼二郎『風土と歴史』
第1章 ヨーロッパの耕地制度
1 マイツェンのドイツ耕地制度論
2 グレイのイギリス耕地制度論
3 マルク・ブロックのフランス耕地制度論
4 ヨーロッパ耕地制度の四類型
5 耕地制度と集落形態の地理的分布
第2章 フーフェ制研究小史
1 メーザーのマンスス論
2 ハンセンの「耕地共同体」論
3 マウラーの「マルク共同体」論
4 フュステル・ド・クーランジュのマウラー批判
5 ランプレヒトの「フーフェ制衰退」論
6 マルク・ブロックの「マンス分解」論
おわりに──ミッテラウアーの「ヨーロッパの特殊な道」──
第3章 イギリスの開放耕地における牧羊の歴史的意義
はじめに
1 牧羊の地域分布
2 イングランド農村の地域区分
3 白亜丘陵地域(ウォルズとダウンランド)の牧羊
4 ヒースランドの牧羊
おわりに
第4章 ヨーロッパにおける囲い込み地の系譜──生け垣と水路の景観史──
はじめに
1 イングランドの囲い込み農地と生け垣の古さ
2 ブルターニュのボカージュ
3 西北ドイツのマルシュとゲーストにおける囲い込み地
4 シュレスヴィヒ・ホルシュタインのコッペル
おわりに
第5章 ヨーロッパ耕地制度における「内畑・外畑制」の意義
はじめに
1 西北ドイツ農村の耕地形態と定住形態
2 エッシュとカンプの関係
3 北ヨーロッパ諸地域の内畑・外畑制
おわりに
第6章「大飢饉」前のアイルランド西部農村
はじめに
1 農村定住史と地域区分
2 農地開発
3 西部農村の土地細分化
4 農村人口問題とジャガイモ生産の拡大
5 ジャガイモに依存する零細農と農村労働者
おわりに
あとがき
欧文参考文献
邦文参考文献
索引