鉄道と地域の社会経済史

鉄道と地域の社会経済史

  • 著者:篠崎尚夫編著
  • 定価:6,600 円
  • ISBN:978-4-8188-2255-9
  • 判型:A5判
  • 頁:386頁
  • 刊行:2013年04月
  • ジャンル:鉄道人文・社会

内容紹介

鉄道と地域が、社会経済すなわち人間の営みを醸すうえでの道具と場になるということを踏まえて、新進気鋭の研究者たちが歴史という名の物語に果敢に挑む。

目次

はしがき i
第Ⅰ部 鉄  道
第1章 国鉄明知線の第3セクター転換
──モータリゼーションの進展と住民の認識── 恩田 睦・小緑 一平
はじめに
1 国鉄再建法と明知線の存続運動
2 第1次廃止対象線区選定後の明知線存続運動
3 国鉄との協議開始と第3セクター鉄道計画の試算
4 明知線の第3セクター転換の模索
5 明知鉄道株式会社の設立と開業
おわりに
第2章 常北電鉄と日立製作所
──地方鉄道と戦時期の軍需増大── 西谷 直樹
はじめに
1 常北電気鉄道の開業 56
2 常北電気鉄道の経営 63
3 日立製作所の軍需生産と日立電鉄
おわりに
第3章 遊覧地・長瀞の形成と秩父鉄道 恩田 睦
はじめに 81
1 長瀞への延伸と学生団体の誘致
2 秩父への延伸と旅客誘致
3 輸送量の増加と電化
4 電化後の経営と長瀞遊園地
5 昭和初期の秩父鉄道と長瀞
おわりに
第4章 明治・大正期の株式取引所と鉄道株
──日本における投資家保護思想の萌芽との関連で── 鈴木 和哉
はじめに
1 投資家保護とは何か
2 株式取引所の設立と明治期の証券関係法規
3 1893(明治26)年「取引所法」の制定 138
4 大正期の株式取引所──大正11年の「取引所法」改正を 中心に──
おわりに
第5章 小口混載と鉄道貨物取扱業──コストなのか、組織形態なのか── 高 宇
はじめに
1 小口混載制度の発達から見る鉄道と運送取扱業者の関係
2 鉄道の国有化と特約運賃
おわりに──鉄道国有化による鉄道と運送業者の関係の変化──
第Ⅱ部 地  域
第6章 第2次世界大戦後における駅と商業の復興
──富山民衆駅を事例に── 藤井 英明
はじめに
1 富山民衆駅計画の開始
2 改築計画段階における民衆施設
3 民衆駅の改築費用
4 民衆駅と商業
5 開業後の富山民衆駅
おわりに
第7章 1930年代における神戸市内商店街組織と神戸商店連盟の共同事業 中村 慎一朗
はじめに
1 神戸商店連盟創立までの神戸市小売商業
2 神戸市における商店街の共同事業
3 統一された販売政策と商業祭の開催
4 神戸市内商店街と阪急三宮楽天地構想
おわりに
第8章 東京新市域における町内会結成以前の住民組織と選挙
──1910年代から1930年代の王子町を例として── 黒川 徳男
はじめに 275
1 村組から町内会へ
2 町会議員選挙における1級選挙の予選と2級選挙の大字推薦
3 町内有志団体と等級廃止後の町議選
4 町議選の男子普通選挙化と町内会
5 郡会議員・府会議員と地域
おわりに
第Ⅲ部 そして、人間
第9章 北越製紙の企業成長と田村文四郎・覚張治平 松本 和明
はじめに 299
1 田村文四郎・覚張治平の足跡と北越製紙の設立過程
2 長岡工場の操業動向
3 販売体制の確立
4 洋紙生産および新潟への進出計画と北越板紙の設立および新潟工場への転換
5 販売体制の混乱とその対応
6 業績の推移および田村文吉の支配人就任と経営再建
おわりに
第10章 「鉄道屋」の思想   篠崎 尚夫
はじめに
1 国鉄職員と制服・制帽、試験
2 国鉄労組と生産性向上運動
3 国鉄からJRへ
おわりに