帝国日本の流通ネットワーク

帝国日本の流通ネットワーク

帝国内市場の形成と流通機構の変容

内容紹介

帝国日本と植民地および東アジアを結びつけるネットワークを財の移動から観察し、その担い手や取引制度が日本の帝国化を通じて変容していく過程を解明する。

目次

目   次
序章 問題の所在
第1節 本書の課題
(1) 問題意識
(2) 課題の設定と対象の限定
第2節 先行研究と本書の視角・構成
(1) 先行研究
(2) 本書の視角
(3) 本書の構成
第Ⅰ部 2つの帝国と台湾
第1章 数量的概観
はじめに
第1節 帝国日本の貿易構造と植民地
第2節 植民地台湾の貿易構造
(1) 地域別貿易額
(2) 商品別貿易額
第3節 砂糖の流通機構と類型化
おわりに
第2章 帝国日本の形成と台湾─中国間経済関係
──1890年代末~1900年代──
はじめに
第1節 19世紀末における台湾─中国間経済関係
(1) 19世紀末における貿易構造
(2) 烏龍茶貿易の流通機構 
第2節 台湾総督府における茶業政策の形成
(1) 益田孝と杉村濬の対中国経済観 
(2) 台湾総督府における茶業政策の形成 
第3節 取引主体の交代と輸出ルートの転換 
(1) 華商の退出 
(2) アメリカ系洋行の新規参入と台湾銀行 
おわりに 
第3章 台湾─中国間経済関係の再編過程
──1900年代~第1次世界大戦前後期──
はじめに 
第1節 1900年代における台湾の対中国輸出貿易 
(1) 貿易上における中国の位置 
(2) 大阪商船の華南航路参入 
(3) 厦門における三井物産の活動 
第2節 台湾輸出税及出港税規則の制定と廃止 
(1) 台湾輸出税及出港税規則の制定過程 
(2) 台湾輸出税及出港税規則の廃止と華南航路 
第3節 第1次世界大戦期の台湾─中国間経済関係 
(1) 第1次世界大戦期の輸出増大 
(2) 台湾総督府命令航路と輸送コスト 
おわりに 
第4章 植民地商人の活動と機能
はじめに 
第1節 函館における塩マス輸移出の展開と台湾市場 
(1) マス漁獲量の増大と台湾向塩マス移出の拡大 
(2) 中継貿易の伸展 
第2節 1910~20年代の函館─台湾間海産物取引 
(1) 函館側の取引主体 
(2) 台湾側の取引主体 
(3) 取引ルールの形成 
第3節 1930年代の函館─台湾間海産物取引 
(1) 函館水産販売の設立 
(2) 日魯漁業・函館水産販売の流通組織化 
(3) 商人間競争の展開 
(4) 商人間競争の収斂 
おわりに 
第Ⅱ部 帝国日本の流通ネットワーク
第5章 流通機構の形成と植民地行政
はじめに 
第1節 1910~20年代前半におけるバナナ移出の展開 
(1) バナナ生産および移出の数量的確認 
(2) 流通機構の問題点 
第2節 台湾青果の設立と移出取引の展開 
(1) 台湾青果の設立 
(2) リンゴ移出とバナナ移出の差異 
(3) 台湾青果の企業活動 
(4) 東華名産の活動とその挫折 
第3節 輸送手段の整備と産地形成 
(1) 移出構造の変化 
(2) 産地形成の決定因 
(3) 移出量の拡大と荷受組合の機能変化 
おわりに 
第6章 総合商社の活動と競争構造
はじめに 
第1節 台湾市場における三井物産の活動 
(1) 台湾市場における三井物産の事業戦略 
(2) 現地流通機構と三井物産 
第2節 三菱商事の台湾市場進出 
(1) 三菱商事の台湾市場進出 
(2) 現地流通機構との戦略的提携 
第3節 1930年代の台湾市場における競争構造 
(1) 1930年代後半の台湾市場における三菱商事の活動 
(2) 戦略的提携の限界と取引ノウハウの内部化 
(3) 現地流通機構へのコミットとその条件 
おわりに 
第7章 植民地商人と総合商社の競争構造
はじめに 
第1節 1920年代における台湾米移出の展開 
(1) 台湾米移出の拡大と台湾人商人 
(2) 山下汽船の台湾航路参入と移出米取引システム 
(3) 異種混交化する企業組織 
第2節 台湾米穀検査規則の改定と取引構造の変化 
(1) 台湾米穀検査規則の改定 
(2) 取引環境の変化 
第3節 1930年代における4大移出商の競争構造 
(1) 競争的寡占下における移出商の活動 
(2) 4大移出商の収益源 
おわりに 
終章 結 論
第1節 1920~30年代の近代日本と植民地台湾 
第2節 中華帝国からの経済的「断絶」と再編 
第3節 帝国日本の流通ネットワークとその取引主体 
(1) 植民地行政の競争促進機能と流通介入 
(2) 植民地商人の取引活動 
(3) 総合商社の取引活動 

あとがき 
索  引