
回想 小林昇
内容紹介
経済学の誕生と終焉をみすえて、人間的感覚の回復による経済の自律を希求した碩学の、思想と人格とを「文体」に結晶させた生涯を多くの知己が語る。
目次
『回想 小林昇』編集にあたって 服部 正治
第1部
一八世紀経済学の二つのテキスト 大森 郁夫
小林昇における学史と思想史の「試行錯誤的往反」の可能性をめぐって 坂本 達哉
アダム・スミスの農工分業論と賃金論における有効需要の問題
──小林昇説への問題提起── 新村 聡
『国富論』の定位置──「新版アダム・スミス問題」とケンブリッジ学派── 毛利 健三
追悼 小林昇 ベルトラム・シェフォールト
小林昇先生の経済学史と思想史・経済史──高い山脈と低い山々── 柳澤 治
小林昇先生のリスト研究と現代の視点、そしてこれから 原田 哲史
『国民的体系』のリストと『ライン新聞』のマルクス──ブリュッゲマンを中心に── 諸田 實
小林昇の経済学史研究とフランス経済学史 米田 昇平
導きの糸としての「固有の重商主義」論 岩本 吉弘
第2部
回想の小林昇 水田 洋
・文体・のある生涯 松本 昌次
『国富論』研究における小林さんの視角 羽鳥 卓也
無私の人 田中 正司
小林昇先生への思い 住谷 一彦
叙情の詞と窮理の語──小林先生の「カタルシス」をめぐって──
船木 拓生
小林昇先生の想い出 田中 敏弘
小林昇先生のこと 山﨑 怜
小林さんから受けた感化 中野 好之
補充兵と経済学──小林昇全歌集『歴世』に寄せて── 佐藤 清
小林昇先生と日本学士院 根岸 隆
最後の師匠──小林昇先生の思い出── 大倉 正雄
小林昇先生と京都 田中 秀夫
小林昇先生とこけし 渡邊 格
邂逅の重畳 菊池 壯蔵
尊敬する友人にして誉れ高き学者、小林昇教授の思い出 オイゲン・ヴェンドラー
批判的知性の覚悟と疲労 竹本 洋
父と母の思い出 松本 旬子
あとがき
小林 昇 著作・短文目録
小林 昇 年譜