都市交通の成立

都市交通の成立

内容紹介

近代都市の発展に伴い、都市域は膨脹し、旅客輸送の大量化や物流の変化が生じた。大阪市とその周辺を事例に、都市問題の解決への視角や論点を歴史的視点から再考する。

目次

目  次
まえがき 
凡  例 
序 章 「都市交通」の概念的成立 
・ はじめに 
・ 都市交通研究史の概観 
(1)第二次世界大戦前 
(2)第二次世界大戦後から高度経済成長期 
(3)低成長期以後 
・ 「都市交通」の成立をめぐって 
(1)都市と郊外の領域性 
(2)輸送の大量化 
(3)大量化と旅客・貨物の関係性 
・ 「都市交通」概念の成立と本書の構成 
(1)「都市交通」概念の成立 
(2)本書の構成 
第一部 都市交通と領域性
第1章 都市交通の萌芽と領域性 
・ 課題と方法 
・ 明治期六大都市の市域と都市内交通 
・ 市域の形成と都市交通 
(1)市域の形成と官設鉄道の建設 
(2)私設鉄道の形成と起点駅の分散 
(3)大阪鉄道の形成と起点駅の分散 
・ 第一次市域拡張と都市交通 
(1)新市域の形成と私設鉄道対策 
(2)市営主義成立期の都市内交通 
(3)市財政と市営主義の成立 
・ 小括──市営主義動揺への展望── 
第2章 戦間期の都市膨脹と交通調整 
・ 課題と方法 
・ 都市交通の形成と戦間期の都市膨脹 
・ 高速鉄道計画と市営主義の変容 
(1)都市計画事業と高速鉄道計画 
(2)バスの発達と都市交通の一体化 
・ 都市交通の一体化と交通調整事業 
(1)大阪市の交通調整事業とその経過 
(2)都市交通調整と戦時体制 
・ 小括──都市交通の調整と統制──
第3章 交通調整の戦前・戦後と都市交通審議会 
・ 課題と方法 
・ 都市交通審議会の成立と運輸行政の変化 
(1)戦後の運輸行政と都市交通審議会 
(2)都市交通審議会の機能 
・ 大阪の戦後復興と都市交通 
(1)戦前・戦後の大阪市・近郊 
(2)戦後の郊外バス市内乗入問題 
(3)都市交通審議会と市内交通機関市営主義 
・ 市内交通機関市営主義の形骸化 
(1)大阪市と都市交通審議会答申 
(2)市内交通機関市営主義の退潮 
・ 小括──市営主義的領域性の衰退── 
第二部 旅客輸送の大量化
第4章 「通い」の成立 
・ 課題と方法 
・ 交通──鉄道輸送と「通い」の成立── 
(1)鉄道運賃制度の変化と「通い」 
(2)大阪市・近郊の郊外電鉄と「通い」 
・ 労働──賃労働の出現と通勤── 
・ 教育──学校の出現と通学の成立── 
(1)学校制度の変遷と通学 
(2)大阪市・郊外における通学の成立 
・ 小括──「通い」の再生産構造への展望── 
補 論 「通い」の再生産構造
 ──大阪の近郊住宅地・池田町室町の事例から── 
・ 郊外の成立と「通い」 
・ 室町における「通い」の再生産 
(1)室町の成立と変容 
(2)居住者名簿の分析 
・ 再生産構造の実態──まとめに代えて── 
第5章 「都市鉄道」の成立 
・ 課題と方法 
・ 「都市鉄道」成立の背景と前提 
(1)鉄道の技術と軌道の技術 
(2)「都市鉄道」成立の前提
・ 私鉄における「都市鉄道」化 
(1)郊外輸送と鉄道の技術対応 
(2)郊外輸送と軌道の技術対応 
・ 国鉄における「都市鉄道」化 
(1)都市輸送における客・貨取扱の輻輳 
(2)電化と客・貨分離の連動 
・ 小括──「都市鉄道」の成立── 
第6章 旅客輸送の高密度化と「都市鉄道」 
・ 課題と方法
・ 戦時体制期の高密度輸送と都市交通 
(1)国鉄の戦時旅客輸送と都市近郊 
(2)都市交通における都市内と郊外 
・ 戦時統制と鉄軌道業 
(1)都市内交通と市内交通機関市営主義 
(2)郊外・近郊農村における輸送 
・ 戦時体制期の高密度輸送 
(1)都市内交通の破壊と復興 
(2)郊外交通の復興と混雑 
・ 小括──高密度輸送と「都市鉄道」の展開── 
第7章 戦時体制期と「都市鉄道」の展開 
・ 課題と方法 
・ 戦時期における技術統制の展開 
(1)技術統制の政策的展開 
(2)事故・故障の発生と鉄軌道 
・ 戦中期における技術統制の展開 
(1)準戦時輸送と技術統制 
(2)技術統制の展開と戦時規格の設定 
・ 戦後期における技術統制の展開 
(1)旅客輸送における技術統制 
(2)資材難と技術統制 
・ 小括──戦時体制と「都市鉄道」の展開── 
第三部 都市交通における物流
第8章 都市交通と社会資本の利用分担 
・ 課題と方法 
・ 都市内・外結節点における旅客・貨物輸送
(1)旅客・貨物輸送の概観と官設鉄道
(2)私設鉄道各駅 
(3)水・陸貨物輸送の展開 
・ 都市内における旅客移動 
(1)市電以前の都市内旅客移動 
(2)市電の開通と都市内旅客移動 
(3)都市内移動における道路と水路 
・ 小括──都市内社会資本の利用分担── 
第9章 戦前期の石炭消費と都市内輸送 
・ 課題と方法 
(1)都市内石炭輸送の大量化と消費 
(2)大都市の工業立地と輸送 
・ 近代都市の商品流通と石炭 
(1)五大都市における商品流通と石炭 
(2)大阪における商品流通の変化と石炭 
・ 大阪府下の石炭需用状況 
(1)大阪の産業化と石炭需用 
(2)需用先の地域的展開 
・ 大阪府下の石炭輸送状況 
(1)大阪市内の石炭輸送 
(2)貯炭の変化と輸送 
・ 小括──石炭輸送と工場立地── 
第10章 生鮮食料品輸送と中央卸売市場の成立 
・ 課題と方法 
・ 戦間期における卸売市場と生鮮食料品 
・ 生鮮食料品輸送の展開 
(1)水産物輸送の変化と冷凍技術 
(2)青果物輸送の変化 
・ 貨物輸送と小運送問題 
(1)大阪市の商品流通と小運送 
(2)都市鉄道の貨物取扱と機能分担 
(3)中央卸売市場の開設と輸送変革 
・ 小括──生鮮食料品輸送と大都市輸送問題── 
終 章 「都市交通」の成立 
・ 要 約 
・ 結 論
・ 展 望 
あとがき 
初出一覧 
索  引 
図表索引