
日本帝国崩壊期「引揚げ」の比較研究〔オンデマンド版〕
国際関係と地域の視点から
- オンデマンド
- 著者:今泉裕美子・柳沢遊・木村健二編著
- 定価:7,150 円
- ISBN:978-4-8188-1692-3
- 判型:A5判
- 頁:392頁
- 刊行:2020年09月
- ジャンル:歴史 (人文・社会)
内容紹介
「帝国」の瓦解、権力交替により、帰還、強制移動、残留を余儀なくされた人たち。日本敗戦前後、社会の断層を生きた人々のさまざまな「引揚げ」と苦悩、それを規定した国際関係の変動にメスをいれる。
目次
序章 近年の「引揚げ」研究の視点と本書の課題 今泉裕美子
1 引揚げ.研究への関心の背景──植民地研究.移民研究を中心に
2 引揚げ.研究の研究史と論点
3 本書の課題と構成
第1部 日本帝国崩壊期の日米関係と.引揚げ.
第1章 在日朝鮮人の.帰国──1945~46年を中心として 宮本正明
はじめに
1 植民地期における朝鮮人の渡日
2 朝鮮人の帰国者数
3 日本の敗戦前後における朝鮮人の帰国
4 敗戦直後における「計画輸送の」の推進
5 登録.に基づく.計画輸送.の展開
おわりに
第2章 日系アメリカ人と国外退去〈 d ep ortation〉
──強制立退き・収容政策再考(1945~46年) 村川庸子
はじめに
1 米国からの.引揚げ.の実態
2 米国司法省「.敵性市民」.政策と「トラブルメーカー」
3 トラブルメーカー.の出現
おわりに
第3章 パラオ諸島をめぐる民間人の.引揚げ
──第二次世界大戦中の兵站基地化から米軍占領下までを中心に 今泉裕美子
はじめに
1 パラオ社会の特徴
2 日本軍による戦時体制構築と民間人の動員
3 米軍の軍政に対する日本軍の対応
4 米軍政下の.自治.と民間人の送還/帰還
おわりに
第2部 地域.と.引揚げ.の諸相
第4章 日本残留中国人──札幌華僑社会を築いた人たち 曽士才
はじめに
1 札幌への中国人進出と北海道帝国大学留学生
2 戦後の札幌中国人社会
3 日本に残留した強制連行者のその後
4 残留中国人と札幌華僑総会の活動
おわりに
第5章 樺太からの日本人引揚げ.(1945~49年)──人口統計にみる 竹野学
はじめに
1 日ソ戦直前の樺太
2 日ソ戦の開始と樺太.引揚げ
3 ソ連占領下の樺太における様々な人口移動
おわりに
第6章 日本帝国圏への移民と引揚げ後の動向
──愛媛県東宇和郡旧U村を事例として 木村健二
はじめに
1 日本帝国圏への移民
2 引揚げの経緯
3 引揚げ後の生活と就業状況
おわりに
第7章 1940年代後半期大連営業者の職業.復帰.
──東北アジアの社会変動の中の財界人没落 柳沢遊
はじめに
1 大連商工会議所上層部の戦後再就職
2 有力企業家の事業再開過程
3 財界人の業種転換ないし引退
おわりに
補論 研究動向
補論1 韓国における朝鮮人.帰還.研究 宮本正明
1 韓国における.帰還.研究の概観
2 帰還.関係の研究成果
3 帰還.研究における問題意識と今後の課題
──李淵植・張錫興の指摘・提起から
補論2 日本人の引揚げに関する近年の研究動向 木村健二
1 資料・記録類の刊行
2 引揚げをめぐる国際的状況.関係機関の政策
3 引揚げのプロセス.現地残留.現地援護団体
4 引揚げ後の歩み